フィナステリドを服用した一部の男性で精子の数が減少

2013-10-03

ニューヨーク(ロイターヘルス) - フィナステリドを服用すると一部の男性は精子の数が減少することが、プロスペクティブなデータベース研究の結果から示された。

「フィナステリドは不妊の原因となる可能性があるため、生殖年齢の男性には、同薬剤が引き起こし得るこの副作用について忠告しなければならないことを医師は認識しておくべきである」とUniversity of Toronto(カナダ)のDr. Keith Jarviはロイターヘルスへの電子メールに記した。

「男性がフィナステリドを服用しており、かつ精子に関するパラメータに異常がみられる場合は、フィナステリドの服用を中止すべきである。幸いなことに、精子の数が減少したためフィナステリドの服用を中止した男性の大半では、精子パラメータがその後劇的に改善する」と同研究者は述べた。

フィナステリドは本来、前立腺肥大症の治療用として承認されたが、男性型脱毛症の治療用として1997年に承認されて以来、服用されることが多くなってきた。米国食品医薬品局(FDA)は、フィナステリドが男性不妊に及ぼす悪影響について全く報告していない。

Dr. Jarviらはプロスペクティブに収集したデータを用いて、フィナステリド(平均用量1.04mg/日、平均服用期間は57.4ヵ月)を服用しており、かつ生殖能力の評価を受ける目的で受診した男性24人の精子パラメータおよびホルモンパラメータを調査した。

大半の男性(23人)は、フィナステリド単剤療法(1日平均用量1.04mg、平均服用期間は57.4ヵ月)を受けている最中に精子およびホルモンの検査を受けており、14人は同薬剤服用中および服用中止後に検査を受けた、と同研究者らはFertility and Sterility誌9月5日号オンライン版で報告している。

フィナステリドを服用している男性9人と服用を中止した8人のホルモン・プロファイル(卵胞刺激ホルモン[FSH]、黄体形成ホルモン[LH]およびテストステロン)を比較したところ、同程度であった。しかし、フィナステリドの服用を中止する前後にホルモンレベルを測定していたのは、1人のみであった。

フィナステリド服用中および服用中止後に精子解析を受けた男性14人における精子濃度の平均は、1,320万/mLから4,225万/mLまで有意に上昇していた(p=0.003)。

フィナステリドの服用を中止する前後の平均射精量に差はみられなかったが、精子の数は平均で11.6倍に増加していた。また、最も劇的な増加が認められたのは重度精子減少症患者においてであった。

フィナステリドの服用を中止した後に精子数が減少した男性はいなかった。

「フィナステリドが不妊に影響を及ぼすのは、アンドロゲン性脱毛症を治療する目的でこの薬剤を服用している男性のごく一部と考えられる。しかし、フィナステリドを服用しているこうした男性の精子の数が減少するのであれば、男性は毛髪を失うか、不妊になるかのいずれかである」とDr. Jarviは述べた。

「我々が診察した男性の大半はフィナステリドの服用を中止するのをひどく嫌がり、毛髪を失うことに懸念を示した。こうした男性がフィナステリドの服用を中止することに同意するまでには多大な説得を要することがある。フィナステリドが不妊の原因となる可能性があり、この種の論文によって、医師がこうした男性に、精子パラメータに異常が認められた場合に生殖能力を最適化させるための妥当なアプローチはフィナステリド服用の中止である、と痛感させる強固な基盤が示された」とDr. Jarviは述べた。

フィナステリドと不妊問題が関連付けられたのは、これが初めてではない。2004年にこうした関連性を示唆した研究を発表したDr. Sidney Glinaは、フィナステリドを「安全な薬剤」としていた。

「ただし、その患者が他にも、精索静脈瘤や肥満など、何らかの不妊のリスク因子を有している場合は、同薬剤がその影響を増幅して精子形成機能を低下させる可能性がある。こうした影響がもたらされる可能性について、医師は男性に対して強調しなければならない」とAlbert Einstein Jewish Hospital(ブラジル サンパウロ)のDr. Glinaはロイターヘルスへの電子メールに記した。

「精子解析で異常を示した場合および他の治療を行う前も不妊であった場合は、どの男性もフィナステリドの服用を中止することが重要である。このマイナスの影響はほとんどの症例において回復可能である」とDr. Glinaは補足した。

症候性前立腺肥大を治療する目的で商品名Proscarとして販売されているフィナステリドの処方情報に、「Proscarを24週間にわたり投与した健康な男性被験者の精子パラメータを評価したところ、精子の濃度、運動性、形態、pHに臨床的に意義のある影響は認められなかった。射精量の中央値は0.6mL(22.1%)減少しており、それに伴って射精1回当たりの精子合計数の減少が観察された。それでもこうしたパラメータは正常範囲にとどまっており、服用を中止した場合に回復可能であった。ベースライン時の状態まで回復するのに要した期間は平均84週間であった」とMerckは記している。

SOURCE: http://bit.ly/19JlZwJ
Fertil Steril 2013.