一部の降圧薬は気分障害による入院と関連

2016-10-15

(ロイターヘルス) - β遮断薬およびカルシウム拮抗薬は、重度気分障害エピソードのリスクを増大させる可能性があることが、新規研究によって示唆された。

これらの薬剤を服用している人が気分障害(大うつ病性障害、双極性障害など)で入院する可能性は、アンジオテンシン拮抗薬を服用している人の2倍であった、と研究者らは報告している。

気分障害とうつ病は双方向に関連する可能性がある、とUniversity of Glasgow(英国)附属Institute of Cardiovascular and Medical SciencesのDr. Sandosh PadmanabhanらはHypertension誌10月10日号オンライン版に公表された論文で指摘している。

例として、双極性障害により高血圧リスクおよび心血管死リスクは約2倍に増大すること、大うつ病性障害により高血圧リスクが増大することを同研究者らは記している。

β遮断薬と気分障害が関連していることを示唆するエビデンスも存在する、とDr. Padmanabhanはロイターヘルスに語った。カルシウム拮抗薬も気分障害と関連する可能性があることも、最近の遺伝学的なエビデンスにより示唆されている。

血圧の薬と気分障害の関連性を調査するため、同研究者らは90日以上にわたって降圧薬(アンジオテンシン拮抗薬、β遮断薬、カルシウム拮抗薬、またはサイアザイド系利尿薬を服用していた40〜80歳の患者144,066人に関する病院データを解析した。

気分障害による入院歴を有する人は、同研究から除外された。

高血圧患者と血圧の薬を服用していない人111,936人を比較した。

約5年間で患者299人が気分障害により入院した。

結果に影響を及ぼす可能性のある因子(年齢、性別、全身の健康など)で補正したところ、β遮断薬服用者およびカルシウム拮抗薬服用者が気分障害で入院する可能性は、アンジオテンシン拮抗薬服用者の約2倍であった。

対照的に、アンジオテンシン拮抗薬は重度気分障害に対する保護効果を発揮すると考えられる、とPadmanabhanは指摘した。これらの薬剤を服用している人が気分障害により入院する可能性は、薬剤を全く服用していない人より低かった。

同研究は、「レトロスペクティブ解析に基づいている。したがって、このエビデンスは不十分であるため、今日の治療パターンを変更するには至らない」とCleveland Clinic(オハイオ州)の心臓病専門医であるDr. Maan Faresはロイターヘルスに指摘した。

しかし、もっと適切なデザインの試験を行う必要があることが同研究によって確認されたことは確かである、と同氏は述べた。

また、同研究結果には限界がある、ともDr. Padmanabhanは注意を促した。同研究者らは現在、血圧の薬に関する過去の臨床試験を調査し、研究者らがうつ病に関するデータを入手しているかを確認している最中である。そうしたデータがあれば、同研究結果の確認が容易になる。


SOURCE:http://bit.ly/2dPIbAA
Hypertension 2016.