スクリーニング超音波検査は乳がん検出を改善しない

2019-03-27

ニューヨーク(ロイターヘルス) - 乳がんの検出率は、スクリーニング超音波検査を併用するスクリーニングマンモグラフィの実施後も、スクリーニング超音波検査を併用しないスクリーニングマンモグラフィの実施後も同程度であることが観察研究で示されている。

いくつかの州では、高濃度乳房の女性を対象に、スクリーニング超音波検査の保険適用を義務付けているが、乳がんのアウトカムに対する補足的スクリーニングの効果は未だ不明である。

Seattle Cancer Care AllianceのDr. Janie M. Leeらは、スクリーニングマンモグラフィの補助としてのスクリーニング超音波検査とスクリーニングマンモグラフィ単独の効果を比較して評価するため、Vermont Breast Cancer Surveillance SystemおよびSan Francisco Mammography Registryのデータを用いた。

同研究では、女性3,386人で実施した6,000件超のマンモグラフィ/超音波検査併用、およびマッチさせた女性15,176人で実施した30,000件超のマンモグラフィ検査単独を対象とした。

超音波検査を受けた女性は、マンモグラフィのみを受けた女性より、高濃度乳房を有している可能性が高かった一方、前者の25.7%は高濃度乳房を有していなかった。

超音波検査も受けた女性は、マンモグラフィのみを受けた女性より、診断評価を完了するために2回目の来院を必要とする可能性が低かった。しかし、超音波検査の追加は、生検推奨の有意な増加と関連していた(スクリーニング1,000件あたり27.7件から57.4件に増加)。

また、マンモグラフィ/超音波検査併用は、良性所見の可能性(3.9% vs. 1.1%)および偽陽性生検推奨(スクリーニング1,000件あたり52.0 vs. 22.2)に対する短期フォローアップの有意な増加、ならびに生検推奨の陽性適中率の有意な低下(9.5% vs. 21.4%)と関連していた。

マンモグラフィ/超音波検査併用(スクリーニング1,000件あたり5.4)とマンモグラフィ単独(スクリーニング1,000件あたり5.5)との間で、がん検出率に有意差は認められなかった、と同研究者らはJAMA Internal Medicine誌3月18日号オンライン版で報告している。

乳がんの大半は、スクリーニング戦略を問わず、浸潤性腺管がん、小型(20mm以下)、リンパ節転移陰性、ならびにエストロゲン受容体陽性およびプロゲステロン受容体陽性であった。

「さまざまな程度の乳がんリスクを有する女性を対象とした、超音波検査スクリーニングに関する今回の観察コホート研究は、ベネフィットが中程度で非有意であり、スクリーニングによる悪影響がみられる割合が、以前の報告と一致して高いことを明らかにした」と同研究者らは結論付けている。「補助的超音波検査スクリーニングを、より効果的に適用するには、補助的スクリーニングからベネフィットが得られる女性を正確に特定できるよう、さらに努力する必要があることが示唆されている」

「また、質の高い補足的スクリーニングを提供する能力のほか、スクリーニングと関連する悪影響の頻度を低減させる新しい介入手段を開発する必要があることも示唆されている」と同氏らは補足した。

「以前の研究では、スクリーニング超音波でがん検出能が増大するベネフィットが示されていることから、マンモグラフィ単独と比較して、補助的スクリーニング超音波を適用してもがん検出率に有意差が生じないことが判明したのは意外であった。著者らが考察したように、これは、スクリーニングを受けた集団において、かなり多くの女性が平均的リスクを有することなど、因子の組み合わせと関連し、地域環境において、手動であるか自動であるかなど、適用する超音波スクリーニングの専門知識や種類のばらつきとも関連している可能性がある」と乳がんを対象にさまざまなスクリーニングおよび画像診断法を研究しているUniversity of California, San FranciscoのDr. Bonnie N. Joeは電子メールでロイターヘルスに語った。

「高濃度乳房の女性のうち、どの女性が補助的スクリーニングを受けるべきか、また、どのような撮像検査を受けるべきかに関して確固たる推奨を行う上で十分なデータは得られていない。超音波は女性で忍容性が高いため従来から推奨されてきたが、高い偽陽性率が問題として認識されている。女性の乳房が高濃度であり、乳がんの既往歴がある、または乳がんを発症するリスクが高い場合、American College of Radiologyのガイドラインに準じて、乳房MRIを用いた補助的スクリーニングが推奨される」と同研究に関与しなかったDr. Joeは述べた。

Dr. Leeのコメントは得られなかった。


SOURCE:https://bit.ly/2Ois8wU
JAMA Intern Med 2019.