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チャットGPTって何? その便利さと危うさと

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2023.5.17

さまざまなメディアでその名を見聞きしない日はないチャットGPT。チャットGPTってそもそもどのようなものなのでしょうか? この疑問を直接、チャットGPTにぶつけてみました(2023年4月末時点の回答)。

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チャットGPTとは何者か?

Q: チャットGPTとはなんですか? わかりやすく説明してください。

A:  チャットGPTとは、OpenAIが開発した自然言語処理の人工知能モデルの1つで、GPT-3.5アーキテクチャに基づいています。チャットGPTは、自然言語の理解と生成に優れた性能を持ち、テキストデータを入力として、自然な対話を生成することができます。

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上記の回答については検証が必要ですが、概ね正しいと思われます。チャットGPTは、対話型生成AIの一種で、まるで人間に話しかけるように質問(プロンプトと呼ばれています)を入力すればそれに対する回答を提供してくれます。

GoogleやYahoo!といった従来の検索エンジンによるキーワード検索とは異なり、質問を直接入力すれば、その答えを即座に文章で提示してくれるチャットGPTは、まさに画期的、革命的であるといえるでしょう。

そのチャットGPTは、2022年11月のリリース以降、怒涛の勢いで世界中にユーザーを増やしています。少し古い数字になりますが、リリースから3カ月後の累計ユーザー数は2月初旬時点で2億6,600万人に達したともいわれています1) 。日本でのユーザー数は世界第3位とのデータがあります2)。それほどまでに急激な普及が進む一方、チャットGPTに伴うさまざまな懸念について多方面で指摘されています。

例えば、教育現場におけるチャットGPTの使用については賛否両論が巻き起こっています。「学生たちに課したレポートはすべてチャットGPTが作成したものになってしまうのではないか」とか、「チャットGPTが時として返してくる不正確な回答や誤情報を鵜吞みにしてしまうのではないか」といった懸念が生じるのは当然でしょう。それに対し「調べ物に費やす膨大な時間が節約できる」「下書き程度に利用するのならばよいのではないか」など賢く利用することで対応しようという意見も多く見受けられます。原則として使用を禁止する学校もあれば、むしろ大いに利用して賢い使い方を学ぶべきであるとする学校もあり、対応は一律ではありません。この傾向は企業や官公庁においても同様です。

また、別の懸念として、特に欧州各国では、大量の個人情報が収集され、悪用されることを危惧して、チャットGPTの使用を規制する動きが活発化しています。イタリアでは2023年4月初旬から一時的に利用できなくなっていました(5月1日現在、利用再開が決定との報道あり)。

チャットGPTには安全フィルターが搭載されており、非倫理的、差別的、違法な回答の生成を避けるように設計されていますが、悪意ある特殊な使用法を通じてチャットGPTをDAN(Do Anything Now、今なら何でもする)という別人格に変えることにより、例えば「爆弾の作り方を教えて」などの質問に回答させることができることも明らかになっています。それらをどのように制御するのか、ということも今後の大きな課題といえるでしょう。

さらに、チャットGPTを始めとする生成AIが学習材料としている既存の文章、画像などの著作権をどのように保護するか、またそれらを使用してAIが作成した文章や画像などに著作権を認めるかどうか、といった問題も大きな議論を呼んでいます。

また、チャットGPTの普及が進むにつれ、今まで人間が行ってきた仕事の多くがこのような生成型AIに代替されてしまい、大量の失業者が出るのではないか、といった社会経済的問題につながっていく可能性があります。

このように多くの懸念をはらんでいるチャットGPTですが、今後どのようになっていくのでしょうか。チャットGPTに次の質問をしてみました。「チャットGPTによりさまざまな問題が生じていることが世界中で懸念されています。今後、チャットGPTはどのように変わっていく可能性が高いでしょうか?」それに対する2023年4月末時点での回答は以下の通りでした。

 チャットGPTは、自然言語処理技術の最先端を代表するものの1つであり、様々な応用が期待されていますが、その使用にはいくつかの懸念があります。これらの懸念には、偏見や差別的な言語の生成、誤情報の拡散、プライバシーの問題などが含まれます。

 チャットGPTの将来的な変化については、いくつかの可能性があります。例えば、チャットGPTの開発者たちは、より公正で中立的な言語生成を促進するための方法を探求しています。また、チャットGPTをより精度の高いツールにするための改良が進んでいます。例えば、新しいトレーニングデータの使用や、より多様な言語や文化的背景をカバーするようになっていく可能性があります。

 さらに、チャットGPTの使用に関する倫理的な観点も重要です。チャットGPTの開発者たちは、プライバシーや公正性などの問題を解決するために、ガイドラインや規制の制定に積極的に取り組んでいます。また、チャットGPTを利用する際には、倫理的な観点を考慮し、適切に使用することが必要です。

なるほど。卒のない答えですね。とりあえずのところ、チャットGPTのようなAIを利用する私たちのリテラシーが問われることになりそうです。

1) https://news.yahoo.co.jp/articles/14e51ce4ac5652b7e843593ed4a9b83df0e77366?page=2
2) https://news.allabout.co.jp/articles/o/59671/?page=3&FM=af_headlines.yahoo&af_type=news&af_id=news_original59671&utm_source=headlines.yahoo&utm_medium=af&utm_campaign=news_original59671&utm_from=news

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