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自分の足を知ろう!
日ごろからできる外反母趾予防

医療・健康
2022.6.17

日ごろ自分の足について意識したことはありますか? 外反母趾などの病気は、足の状態を理解することで予防することができます。今回は足に関する理解を深め、日ごろからできる予防対策についてお伝えします。

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足のタイプは3種類に分けられる

主に私たちの足のタイプは「エジプト型」「ギリシャ型」「スクエア型」の3種類に分けられます。ここでは一つひとつの足のタイプについて詳しく解説していきます。

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「エジプト型」は、親指が最も長いのが特徴で、人差し指から小指へと進むにつれて徐々に短くなっていきます。日本人の約7割以上がエジプト型に該当します。日本人の祖先である農地民族が日常的に地面をしっかりと踏みつける生活様式であったことから、親指が発達したといわれています。

親指が長いため、足に体重がかかったときに全体のバランスを保とうと親指のつけ根にねじれた力がかかります。その結果、かかった力を逃がそうと関節が小指側に変形し、外反母趾を引き起こすのです。

次に「ギリシャ型」は、人差し指が親指よりも長いことが特徴です。ギリシャ型という名前はどのような経緯でつけられたかは明らかになっていませんが、ミロのヴィーナス像などのエジプト彫刻では人差し指が長いものが多くみられます。日本人の約2割がこの足型に該当します。

人差し指が親指よりも長いため、つま先に余裕のある靴を履かないと、人差し指が靴のなかでZ型に折れ曲がった状態になります。その状態が持続すると、人差し指が折れ曲がった状態で固まってしまうハンマートゥを引き起こす場合があるため注意が必要です。

最後に「スクエア型」は、親指から小指までの長さがほぼ同じ長さであることが特徴で、日本人ではこの足型に該当する人は少数です。

他の足型と比べすべての指に均等に体重がかかる分、指一本あたりにかかる負荷は、エジプト型やギリシャ型に比べると少ないです。しかし、すべての指がほぼ同じ長さのため幅の狭い靴を選ぶと、靴のなかで足指が圧迫されることから巻き爪になることも少なくありません。

外反母趾の患者は近年増加傾向に

外反母趾とは、足の親指が小指の方向に「く」の字に曲がってしまった状態のことをいいます。足の変形が進むと親指のつけ根の骨が飛び出し、それが靴に当たることで痛みをもたらします。

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外反母趾の患者数は近年増加しています。厚生労働省が発表した平成29年患者調査によると、1984年は推計患者数が200人であったのに対し、2017年は1600人と30年で8倍にまで増加しています。

外反母趾の一番の原因は、自分の足に合わない靴を履き続けることです。とくに、幅の狭い先のとがった靴を履き続けると、親指のつけ根から先が圧迫されることで変形が生じます。また、ヒールの高い靴はつけ根にかかる力が大きい分、さらに変形を強めていきます。

「この靴、足が当たっていて痛いなぁ」などと感じている人は、無理をして履き続けるのは禁物です。お気に入りの靴であっても今一度、自分に合っているか、しっかり確認してみましょう。

毎日の外反母趾体操で症状を予防

外反母趾は、足指の運動によって改善をはかることができます。ここでは、ホーマン体操を紹介します。

「ホーマン体操」のやり方1.幅の広いゴムを両足の親指に引っ掛けます。
2.しっかりとかかとを合わせた状態で、両足の足先を開いていきます。
3.ゴムの張りがしっかりと感じられるところで、10秒程度キープします。
※このときに、かかとが離れないように注意しましょう。
4.これを20回程度繰り返します。


外反母趾は、日ごろから足のことを少し意識するだけで発症を防ぐことができる病気です。外反母趾の症状が気になり始めたら、我慢をせずに早めに整形外科を受診するようにしましょう。

参考文献
「外反母趾診療ガイドライン 2014 改訂第2版」
http://minds4.jcqhc.or.jp/minds/hallux_valgus/hallux_valgus.pdf
厚生労働省「平成29年患者調査(傷病分類編)」
http://www.u-tokyo-ortho.jp/outpatient/disease/foot_01.php
日本靴医学会「靴の医学 第21巻2号」
https://kutsuigaku.com/journal/paper/Z21.pdf
公益社団法人 日本整形外科学会
https://www.joa.or.jp/index.html

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