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目の日焼け対策は万全?紫外線による目への影響

医療・健康
2024.8.30

暦の上ではすでに秋になっていますが、先日気象庁が発表した3か月予報では、この先も、平年よりも気温が高い日が続くことが見込まれています。まだまだ残暑が厳しい日が続いている今日この頃、目の日焼け対策は行っていますか? 肌の日焼け対策はしていても、目まで対策を行っている人は少ないのではないでしょうか。紫外線はさまざまな目の病気と関わりがあるため、肌と同じくらい対策が必要です。

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目の日焼けとは?

目も肌と同じように日焼けをするといわれても、いまいちピンとこないという方が多いと思いますが、例えばスキー場で昼間ゴークルをかけずにスキーをしてしまい、夜になって目が充血して、眠れないほどの痛みを感じたという経験をしたことがある人もいるのではないでしょうか。一般的に雪目(紫外線角膜炎)として知られているこの症状も、紫外線の強い場所で長時間、目が直接強い紫外線を浴びたことによって角膜(目の表面に存在する透明の膜、黒目)が炎症を起こしている状態で、このような状態のことを「目の日焼け」と表現します。

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目に入ってくる紫外線のほとんどは、角膜と角膜の後ろにあるレンズ状の透明な組織である水晶体で吸収されます。角膜は、目の表面に位置しているため強い紫外線による影響を受けやすい環境にあります。角膜や水晶体が強い紫外線に晒されることで、活性酸素が発生します。活性酸素は他の物質を酸化させる力がとても強く、角膜や水晶体にダメージを与えてしまいます。これによって角膜が炎症を起こし、目の充血や、激しい痛みといった目の日焼けを引き起こすのです。

目の日焼けによる影響

目の日焼けが原因で引き起こされる目の障害には、急性のものと慢性のものがあります。紫外線を浴びてから約6〜24時間以内に現れる症状には、目の充血、目の異物感(ゴロゴロした感じ)、涙が出る、まぶしさを感じる等があり、これらの症状の多くは、約24〜48時間で自然治癒します。しかし、このような急性障害を繰り返し引き起こすと、慢性障害につながる可能性があります。

慢性障害には、主に瞼裂斑(けんれつはん)、翼状片(よくじょうへん)、白内障があります

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瞼裂斑(けんれつはん)
白目の部分がシミのように黄色く濁って、隆起(盛り上がった状態)する病気。目の痛みや、異物感、充血などの症状を伴う。

翼状片(よくじょうへん)
白目の部分の組織が異常に増え、目頭の方から角膜に向かって三角形状に伸びてくる病気。充血や異物感などを伴い、進行すると乱視が出現し、視力低下を引き起こす。

白内障
水晶体の部分が白く濁った状態になる病気。水晶体の濁りによって、ものがかすんで見えたり、二重に見えたり、まぶしく感じたりする。WHO(世界保健機関)によると、白内障の原因の約2割は紫外線によるものだとされている※1。

紫外線によるこれらの病気を防ぐためには、日頃から紫外線から目を守るための対策を日頃から行う必要があります。

目の日焼け、どう防ぐ?

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普段の生活において、紫外線から目を守るには日傘や帽子・サングラスを取り入れることが効果的です。帽子の着用による紫外線カット率は約20%といわれており、つばが広いものを選ぶと、よりUV(紫外線)カット効果が高まります。また、UVカット機能がついたサングラスや眼鏡は、用途にあったものを適切に使用することで、紫外線による目への負担を大幅に軽減させることができます。「色が濃いサングラスなら、紫外線をより多くカットできるのでは?」と思われるかもしれませんが、実はレンズの色や濃度は、あまり関係はありません。色が濃いサングラスであっても、紫外線を通しやすいレンズだと、かえって目に悪影響を与えることもあるため、サングラスを購入する際は、どの程度紫外線をカットするのかしっかりと表記を確認するようにしましょう。

まだまだ容赦ない日差しが照りつける今日この頃、帽子+サングラスといったように、アイテムを組み合わせて、肌の日焼けだけではなく、目の日焼け対策を心がけましょう。

参考文献

※1世界保健機関(WHO)「Radiation: The known health effects of ultraviolet radiation」
https://www.who.int/news-room/questions-and-answers/item/radiation-the-known-health-effects-of-ultraviolet-radiation

日本医師会「日医ニュース 健康ぷらざ No.440 紫外線は、目にも影響します〜正しいサングラスの着用を〜」
https://www.med.or.jp/dl-med/people/plaza/440.pdf

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