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天候による体調不良〜気象病を知る〜

医療・健康
2023.7.18

「天気が悪かったり、湿度が高かったりするとなんとなく身体がだるい」と不調を感じている方も多いのではないでしょうか。その症状もしかしたら、「気象病」かもしれません。

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天気がもたらす、さまざまな身体の症状

「天気が悪くなると古傷が痛む」など気象の変化と体調との関係性は、昔からよく知られていました。気象病は気圧や温度、湿度といった気象要素から影響を受けた不快な症状のことを言います(病名ではありません)。気象病とひと言で言ってもその症状はさまざまで、代表的な頭痛やめまいといったもののほかにも、以下のような症状が挙げられます。

【主な気象病の症状】
・頭痛
・めまい
・疲労感
・吐き気
・首や肩などの凝り
・関節痛
・手足のしびれ
・うつ
・喘息症状の悪化 など


これらの症状は、気象の大きな変動により自立神経が乱れることで発生すると考えられています。とくに台風の接近時などは気圧が大きく変動するため、気象病の症状が出やすいとされています。

気象病と内耳の関係

じつは頭痛やめまいといった気象病の発生には、内耳が深く関わっていることが近年の研究※1によって明らかになりました。

内耳には鼓膜の奥側にカタツムリのような形をした蝸牛管があり、主に耳で受けた情報を脳や神経に伝達する役割を担っています。内耳にある平衡をつかさどる器官である前庭器官には、気圧の変化を感知するセンサーがあり、気圧や温度の急激な変化が起こると、その変化を察知し脳に情報を伝達します。
気象病の症状が出やすい人はこのセンサーが過敏なため、脳に必要以上の情報が伝わってしまいます。その結果自律神経が乱れ、頭痛などの症状が起こりやすいのではないかと考えられています。

気象病と上手く付き合う

頭痛やめまいといった気象病の症状と上手く付き合っていくためには、どのような気象条件のときに症状が出やすいのかしっかりと把握することが大切です。症状の出方には個人差があるため、自分自身がどのような天気のときに症状が出やすいのか、記録をつけてみるとよいでしょう。症状が出た日の気象条件などを詳細に記録しておくことで、天気予報などから症状が出やすい日を前もって予想できるようになり、予防につなげることができます。

自律神経の乱れも、気象病の症状が出やすくなる要因の一つです。症状が出てしまった時は、十分な睡眠を取り、生活リズムを整えたうえで耳まわりの血流をよくすることが効果的です。

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耳周りの血流をよくするのにおすすめなのが、「耳マッサージ」です。先述したように、気象病には内耳が深く関わっているため、内耳の血流をよくすることで自律神経が整い、つらい症状を緩和することができます。

耳マッサージのやり方
1. 親指と人差し指で、両耳の上部をつまんで、上下、横に各5秒間引っぱる
2. 耳の真ん中をつまんで軽く横に引っぱりながら、後ろ方向にゆっくり大きく回す
3. 両耳を包むように折り曲げ、そのまま5秒間キープする
4. 両耳を手のひらで覆い、後ろ方向に円を描くようにゆっくりと回す。これを5回行う


参考文献
※1 気圧の変化を感じる場所が内耳にあった ―気象病や天気痛の治療法応用に期待―
(佐藤純教授らの共同研究グループ)
https://www.aichi-med-u.ac.jp/files/soumu/2018topics05.pdf


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