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ととのって幸せに!? 銭湯と幸福度の関係性

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2023.3.20

ここ数年「ととのう」や「チルい」という言葉が新語・流行語にノミネートされるほど、空前のサウナ・銭湯ブームが巻き起こっています。「ととのう」は、サウナ活動において最高の快感に達した状態を指す言葉として、サウナ愛好家(通称:サウナー)たちのなかで広く用いられていますが、実は銭湯に週1回以上通っている人は幸福度が高いという調査結果があります。ととのって幸せになる、銭湯と幸福度の関係性についてまとめました。

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20〜30代の若者世代の主観的幸福感が90%越え

2018年9月に558名(男性281名、女性277名)を対象に、インターネットを利用した調査が実施されました。この調査では週1回以上の銭湯利用頻度の高い人と、週1回未満の銭湯利用頻度の低い人の2群に区別し、以下の条件に基づいて各群の主観的幸福感を比較しました。調査対象者のうち銭湯利用者(毎日通う人からここ半年以上利用していない人を含む)は280名(男性141名、女性139名)、銭湯非利用者は278名(男性140名、女性138名)でした。
調査条件
①性別、年齢、都道府県(所在地)、地域(地方)、職業、自宅風呂の入浴頻度、銭湯利用頻度、満足度(主観的満足感)、幸福度(主観的幸福感)、健康状態(主観的健康感)、人との付き合い、笑う頻度、ストレス程度、趣味の団体や町内会などの社会活動への参加を、満足度、幸福度、健康状態は最良を10点満点としたスコアとして評価。
②主観的幸福感は10点満点のうち、10〜8点を「非常にしあわせ」、7〜4点を「まあまあしあわせ」、3〜0点を「あまりしあわせでない」とした。
③世代別(20-30 代、40-50 代、60 代以上)、 男女別、地域別(東京・神奈川・埼玉・千葉の1都3県を首都圏、大阪・京都・兵庫の 2 府 1 県を関西圏、それ以外の道県を「その他」)として集計し解析した。
④銭湯利用者へは銭湯へ行く楽しみ、銭湯への期待、銭湯非利用者へは銭湯を利用しない理由、銭湯へ行く条件を調査した。


男女別に銭湯入浴頻度と主観的幸福感を比較したところ、銭湯利用者の男性は主観的幸福感が10~8点の「非常にしあわせ」と回答した人が76.5%と、非銭湯利用者の42.2%よりも34.3%高く、有意な差が見られました。一方、女性は「非常にしあわせ」と回答した人が69.2%と、非銭湯利用者の43.7%より高かったものの男性ほどの有意差は見られませんでした。このことから、銭湯利用者の男性の主観的幸福感は非常に高いことがわかりました(表1)。

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また世代別でみると、現在のサウナ・銭湯ブームの火付け役ともいわれる20〜30代の若者世代の主観的幸福感が92.3%と、他の世代と比較して圧倒的に高くなりました(表2)。

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最近では公衆浴場としての「銭湯」のみならず、その空間を生かしてアートイベントやライブイベントを定期的に行っているところもあり、若者にとって銭湯がひとつのエンターテインメントになってきていることも、主観的幸福感が高い要因として挙げられます。

銭湯入浴頻度が高いほど、よく笑う

また前述した調査では、銭湯入浴頻度が高い人ほど日常生活においてよく笑う傾向にあることが示唆されました。入浴による温浴効果はもちろんのこと、銭湯通いを通じて生まれるコミュニケーションも、日常に笑顔をもたらすものの1つとして考えられるのではないでしょうか。

余談ではありますが、当社の営業部門長は大のサウナ好きが高じて、公益社団法人日本サウナ・スパ協会の認定資格「サウナ・スパ健康アドバイザー」を取得しました。

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まだまだ、衰えることのないサウナ・銭湯ブーム。ぜひ今週末にでも、全身が「ととのう」幸せを味わってみるのも悪くないかもしれません。


参考
早坂信哉ほか:銭湯利用頻度と主観的幸福感の関連:インターネット・リサーチによる横断研究.日本健康開発雑誌,2020
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jjhr/41/0/41_20200313/_pdf

早坂信哉ほか:銭湯利用と健康指標との関連.日本健康開発雑誌,2019
www.jstage.jst.go.jp/article/jjhr/40/0/40_22/_pdf/-char/ja

一般財団法人日本健康開発財団:温泉医科学研究所
https://www.onsen-msrc.com/index.html

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