
春とともに訪れるゆらぎ肌って、なに?
寒さに背を丸めていた冬が終わり、春めいてくると桜より一足先に咲くのがマグノリアの花たち。樹上の花に顔を向けると、そこには春の日差しがキラキラしています。でも、待って! 「肌がかゆい」「眼の周りがピリピリする」なんてお肌の不調に悩まされていませんか? 春に起こりがちな「ゆらぎ肌」についてご紹介します。
春の気分を台無しにするゆらぎ肌とは
仕事や育児に追われつつも、これまでの経験の蓄積からじょうずに最適解を選べるようになってきたオーバー40の大人女子。そんな大人女子たちを悩ませるものに「ゆらぎ肌」があります。「春スキーでがっつり日焼けした」「飲みすぎて化粧を落とさずに寝てしまった」など自らの痛恨ミスが原因ならば受け入れることもできますが、「ゆらぎ肌」は、毎日丁寧な暮らしをしていても季節の変わり目(とくに春!)に突如としてやってきます。ちゃんとスキンケアをしているのに肌トラブルに見舞われたら納得いきませんよね。
ゆらぎ肌という状態になると、次のような症状がみられます。
・皮膚に赤みがある
・肌がかゆい
・肌がざらざらしている
・メイクのノリが悪い
・いつもと同じ化粧水を使っているのにピリピリする
・いつもと同じ洗顔料を使っているのに肌がつっぱる
なぜ、皮膚のバリア機能は春に低下しやすいのか
皮膚のバリア機能を低下させる主な原因に、乾燥、紫外線、花粉、ホルモンバランスの変化、ストレス過多などがあります。
冬の間、天気予報で「乾燥注意報」という言葉を何度も聞いたことと思います。空気の乾燥だけではなくお肌もカラカラの状態になっています。乾燥は皮膚のバリア機能を低下させ、皮膚のバリア機能が低下すれば乾燥がさらに進むという負のスパイラルに陥ります。
そして、3月くらいから紫外線が急に強まります。紫外線は皮膚の一番外側にある角質層にダメージをおよぼし、皮膚のバリア機能を低下させます。
さらに、2月に入るとスギ花粉の飛散が始まり、3月には飛散量がピークを迎えます。スギ花粉だけではなくヒノキ花粉、はるばる遠くからやってくる黄砂などが付着することでアレルギー反応が起こりやすくなります。
また、女性は加齢により女性ホルモンが減少することで皮脂の分泌量が減少し乾燥しやすくなります。ストレスを感じることでも自律神経が乱れ、ホルモンバランスの乱れが増長することによって、肌のコンディションが低下してしまいます。
ゆらぎ肌、どうケアする?
春先はとくに乾燥への注意が必要です。この時期は通常のスキンケアをお休みにして、保湿成分の高いヘパリン類似物質製剤などに替えてみることで、肌のコンディションが整うことがあります。医薬品のヘパリン類似物質製剤はドラッグストアでも購入することができますが、薬剤師、登録販売者のいる店舗に限られます。さらに、洗顔の方法も見直しましょう。必要以上に皮脂を洗い流していないかを振り返ってみてください。心当たりがあれば、マイルドな洗顔料への変更や、朝は洗顔料を使用しないといった選択もあります。
花粉症の人は、花粉に対する用心をさらに厳密に行います。花粉が原因で皮膚症状が起こる「花粉皮膚炎」では、目の周り、口元など乾燥しやすい部分に赤みやかゆみが現れます。ただし、症状がみられても「かゆくても我慢!」を徹底してください。かいてしまうと皮膚のバリア機能がますます低下して、炎症が悪化してしまうことがあるので、気になる症状に気づいたら皮膚科を受診して早めに治療をしておくとよいでしょう。
そして、「そんな当たり前のことを……」と思われるかもしれませんが、ゆらぎ肌が気になるときこそ良質な睡眠をとることが大切です。一日の疲れは一晩の睡眠でリセットできるのが理想です。
春本番、揺らいでなんかいられない。お肌をベストコンディションに整え、春を満喫してください。