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読書離れが深刻!最近いつ本を読みましたか?

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2024.9.30

文化庁が2024年9月17日に公表した令和5年度「国語に関する世論調査」によると、1か月に1冊も本を読まない人の割合が、なんと6割以上にもなることが明らかになりました。読書離れが進む昨今、最近本を読んだのはいつですか?

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約7割が読書量減少、「読書の必要性を感じない」との回答も

本調査は2024年1月〜3月に、日本語を母語とする全国の16歳以上を対象に行われました(調査対象総数6,000人、うち有効回答数3,559人)。このなかで、1か月に読む本の冊数(電子書籍含む、雑誌・漫画は除く)を尋ねたところ、「読まない」が62.6%、「1、2冊」が27.6%、「3、4冊」が6.0%、「5、6冊」が1.5%、「7冊以上」が1.8%となりました。1か月に読む本の冊数を聞く同様の質問項目は、2008年度の調査以降5年ごとに実施されていています。調査方法が前回の対面法から今回は郵送法に変わったため、単純な比較はできないものの、1冊も読まないと回答した人の数は、前回調査の47.3%から15%余り増加し、過去最高となりました。

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また、読書量の変化について尋ねた質問では、「読書量は減っている」と答えた人が69.1%と、前回の67.3%からおよそ2%増加し、こちらも過去最高となりました。読書量減少の主な理由としては、「情報機器(携帯電話、スマートフォン、タブレット、パソコン、ゲーム機等)で時間が取られる」(43.6%)が最も高く、次いで「仕事や勉強が忙しくて読む時間がない」(38.9%)となりました。なかには「読書の必要性を感じない」(8.5%)と回答した人が一定数いることに、読書離れが顕著に示されているように感じます。

読書離れと活字離れが必ずしも等しいものではない

一方で、1か月に1冊も本を読まないと答えた人に、本以外の文字・活字による情報(SNS、インターネット上の記事などを含む)をどれだけ読むことがあるかを尋ねたところ、「ほぼ毎日ある」が75.3%と最も高く、「週に3〜5日くらいある」が6.3 %、「週に1、2日くらいある」が4.1 %、「月に数日くらいある」が3.5%という結果でした。

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現代は、紙媒体に限らず、スマートフォンやタブレットなどで、どこにいてもSNSやインターネット上の記事など、文字・活字による情報に触れることができます。そのことを裏付けるかのように、対象者全員に文字・活字による情報に触れる時間は、以前に比べて減っているか、それとも増えているかを尋ねた質問では、「それほど変わっていない」が37.3%で最も高く、次いで「増えている」が35.3%、「減っている」26.0%となりました。

読書離れ防止に向け図書館と書店の連携も

近年、読書離れの影響からか全国各地で書店の閉店が相次いでいます。このような状況を受け、文部科学省は図書館と書店の連携による読書推進や、地域活性化の取り組みを支援していく方針を固めています。図書館と書店の連携による取り組みのなかには、例えばインターネットで予約した市立図書館の書籍の受け取りや、返却などを地元の書店でもできるようにする(東京都町田市)、小学生を対象に閉館後の図書館で、特別おはなし会や読書タイムを設けたお泊まり会を実施する(宮城県利府町)など、全国各地でさまざまな取り組みが行われています。

来る10月27日は「読書の日」。10月27日から11月9日までの期間は読書週間に定められています。少しずつ秋めいてきて、読書をするにはぴったりなこの時期に、秋の夜長のお供となる1冊を見つけて、読書に耽ってみてはいかがでしょうか。

文化庁 令和5年度「国語に関する世論調査」
https://www.bunka.go.jp/tokei_hakusho_shuppan/tokeichosa/kokugo_yoronchosa/pdf/94111701_03.pdf

文部科学省 図書館・書店等連携実践事例集
https://www.mext.go.jp/content/20240604-mxt_chisui02-000036141-00-2.pdf

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