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昨今の薬物事情~若年層で大麻の使用者が増大

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2025.8.18

2024年に違法薬物の所持や使用で検挙された人は13,462人で前年よりも増えています1)。違法薬物といってもさまざまなものがありますが、ここでは、若年層の使用が増えている「大麻」を中心に考えてみましょう。夏休みなど長期休暇中には、大人の目の届かないところで違法薬物の誘惑がないともいえません。日ごろから、家族で大麻をはじめとする違法薬物になぜ手を出してはいけないのか、どんな有害性があるのかなど話し合うことが求められます。大麻は、使用はもちろんのこと、所持していても罰せられます。大麻、違法薬物は絶対にダメ。

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違法薬物の二極分化

違法薬物で検挙される人のうち、これまで最多だったのは「覚せい剤」で、その次が「大麻」となっていました。年々、大麻事犯の検挙者数は増えてきていましたが、2023年には大麻の検挙者が過去最多となり、初めて覚せい剤を上回りました。

以前から覚せい剤の所持・使用によって検挙された人は40歳以上の中高年が多く、大麻による検挙者は29歳以下が多い傾向にあるといわれていましたが、2024年の報告1)では、大麻事犯で検挙された人の7割が20歳以下で、さらなる若年化が進んでいます。

2008年頃、複数の大学で大麻関連の事犯で学生が逮捕されました。これを機に、社会的に厳しい目が違法薬物に向けられるようになり、対策も広く講じられるようになりました。ちょっとした好奇心で大麻に手を出した結果、大学リーグで頂点を目指していた運動部の学生は試合に出られなくなり、さらには退部、退学という憂き目に、という話も耳にしました。軽い気持ちからの大麻使用で夢や未来を失うということを実際に目にしました。非難を伴った報道の過熱でいったんは若い人たちの大麻事犯は減少しましたが、現在は大麻回帰ともいえる増加傾向にあります。

大麻で検挙された若者の実態~なぜ大麻を使用したのか

警察庁がまとめた「大麻乱用者の実態」2)によると、検挙者のうち、初めての大麻使用は、20歳未満という人が52.5%と半数を超えています。2017年の同調査と比較して約16%も増加しています。

同調査では、大麻に手を出した経緯として、「誘われて」と回答している人が最も多く、とくに20歳未満では79.1%、20代でも70.2%と若年層で顕著でした。
また、動機については、「好奇心・興味本位」「その場の雰囲気」「クラブ・音楽イベントの高揚感」「パーティー感覚」と続き、若い人ほど受動的な態度で大麻に手を出していることがわかります。「ストレス発散」や「陶酔効果」など現実逃避を求めていた人は30代以降の壮年層にみられました。
軽いノリで大麻に手を出す傾向がある若年層は、当然のことながら大麻に対する危険性・有害性への意識も知識も低く、「有害だと認識していなかった」と76.4%の人が回答しています。

ランダムに選ばれた中学生に飲酒や喫煙、薬物乱用に関するアンケート(無記名)を実施し、得られた回答を解析した資料3)によると、1度でも大麻を使用したことがある中学生は年々増加傾向にあります。若くして大麻を使用すると、成人してから使い始めた人に比べて依存症になるリスクが高くなり、15歳で始めた場合には7.4倍も高くなると報告されています。また、同資料では大麻の使用経験のある中学生は、使用経験のない中学生に比べ、身近な友人や知人から薬物の使用を誘われたときに、断る自信がない傾向がみられるといわれています。そこから「大麻使用を断る力を育む教育」の必要性が喚起されています。
大麻は「ゲートウェイドラッグ」とも呼ばれており、大麻をきっかけに薬物に手を出して、より毒性の強い薬物に手を出してしまう人が少なくありません。

今後対策を講じる場合には、大麻に対する正しい情報を伝え、「有害」であると認識をさせることが大事だと思われます。同時に「その場のノリ」に流されないこと、「嫌なものにはノー」「自分の身に危険が及ぶことにはノー」といえるようになることも大切なのではないでしょうか。

大麻の情報も入手ルートもインターネットから

先ほどの「大麻乱用者の実態」2)によると、大麻の入手先を知った方法はインターネットであったと30歳未満の検挙者の3分の1が答えています。そのうち9割以上の人がSNSを利用していたといいます。SNSの普及によって、大麻の入手が容易になっていることが推察されます。

また、大麻が危険であるという意識がない人たちが、大麻に関する情報を入手していたのもインターネットでした。フィルタリングサービスを利用することで、子どものスマホに有害なサイトへのアクセスを制限することが可能です。しかし、それだけではなく、フェイクニュースが飛び交う現代、インターネットから流れてくる情報を鵜呑みにしないということも子どもたちには伝えていかなくてはならないでしょう。

警察庁でも、大麻事犯に対しては厳正な取締りに加え、とくに若年層による乱用防止を主眼におき、インターネット上での違法情報の排除や広報啓発活動を推進することとしています。

違法薬物へは年齢を問わず、断固として「ノー!」を突き付けなくてはなりませんが、若い人に対しては、社会全体が違法薬物の有害性をしっかり伝え、危険を察知する感度を高めてもらうように取り組まなければならないでしょう。

大麻以外の違法薬物に関しても以下からお読みいただけます。
https://kwn.kanematsu.co.jp/mi/services/drugtest.html

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参考
1)「令和6年における組織犯罪の情勢」警察庁組織犯罪対策部(令和7年4月)
https://www.npa.go.jp/publications/statistics/kikakubunseki/r6jyousei_digest.pdf
2)「令和5年における組織犯罪の情勢」警察庁組織犯罪対策部(令和6年3月)
https://www.npa.go.jp/publications/statistics/kikakubunseki/r5jousei20240408.pdf
3)「中学生における大麻使用の実態-飲酒・喫煙・薬物乱用についての全国中学生意識・実態調査(2018年)の結果より-」国立精神・神経医療研究センター(2019)
https://www.ncnp.go.jp/nimh/yakubutsu/aspad-j/infographic/images/njhs_2021.pdf

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