最新テクノロジーでスポーツの魅力を可視化! ミラノ冬季オリパラのデジタル革命
イタリアの銀世界を舞台に、連日熱い熱戦が繰り広げられているミラノ・コルティナ2026冬季オリンピック・パラリンピック。今大会の熱戦を眺めていて、「今回の映像、なんだか迫力が違うな? 臨場感がすごい!」と感じた方も多いのではないでしょうか。実は今大会、私たちの視聴体験を根本から変える「デジタル革命」が起きています。まるで自分が選手になったような感覚を味わえる、ミラノ・コルティナ2026冬季オリンピック・パラリンピックの最新テクノロジーの裏側について、ご紹介します。
選手の背中を追う「空飛ぶカメラマン」FPVドローン
これまでの冬季オリパラの映像といえば、コースの脇に設置された固定カメラや、ワイヤーに吊るされたカメラが一般的でした。しかし今大会では、合計25機のドローンが「空飛ぶカメラマン」として、臨場感あふれる映像を視聴者に届けています。なかでも注目なのは、五輪史上初めて導入されたFPVドローンです。今大会では15機のFPVドローンが導入されました。
FPVドローンのFPVとは「First Person View:一人称視点」のことで、上空からではなく選手のすぐ後ろや真横をぴったりと追いかけて、臨場感あふれる映像を視聴者に届けています。FPVドローンは従来のドローンよりもスピードが早く、高精度な動きが可能。従来のドローンが最高速度40km/h程度にあるのに対し、FPVドローンは160km/h程度まで出せるため、“氷上のF1”ともいわれる最高速度が時速100キロを超えるボブスレーやリュージュといった競技でも、より選手の目線に近い映像が撮ることができます。これによってまるで自分が選手たちと一緒に滑っているような、圧倒的な没入感を生み出すことができるのです。
一部ではドローンの飛行音が「うるさい」という議論も起きていますが、主催側はAIによるノイズ除去技術を駆使し、常に最適化を目指し実現しています。
高性能AIとクラウド技術で「体験型」の観戦へ
かつてフィギュアスケートのジャンプの高さや、スノーボードの驚異的な回転速度などを視聴者に伝えるには、解説者の言葉に頼るしかありませんでした。しかしオリンピック放送機構(OBS)と、中国・杭州に拠点を置く世界最大級のIT企業アリババグループが提供するクラウド技術と高性能AIとの融合によって、肉眼では追いきれないアスリートの動きが瞬時に座標データとしてキャプチャされ、正確な「数値」として画面に映し出されるようになりました。例えば、ジャンプの最高到達点や着氷時の衝撃荷重、あるいは滑走中のミリ単位のライン取りがデータとして示されることで、アスリートがいかに物理的な限界に挑んでいるかが、専門知識のない視聴者にも一目で伝わるようになっています。
また複数のカメラ映像をAIが瞬時に合成し、競技の決定的瞬間をあらゆる角度から立体的に見せる「360度リプレイ」によって、ジャンプの踏み切り、空中姿勢、着地の瞬間など、従来のリプレイでは捉えきれなかった細かなフォームや身体の使い方を、視点を自由に変えながら確認することが可能になりました。この360度リプレイによって、視聴者の臨場感は飛躍的に高まり、まるで競技の中に入り込んだかのような体験を得ることができるのです。
この360度リプレイは審判や解説者が多角的な視点で動きを確認できることから、判定の透明性向上にも寄与しており、今後のスポーツ中継の新たなスタンダードになることが期待されています。
2026年2月6日に開幕したミラノ・コルティナ2026冬季オリンピックもいよいよ終盤戦。来月6日からは、ミラノ・コルティナ2026冬季パラリンピックが行われます。これからの競技観戦では、ぜひカメラワークやデータ表示にも注目してみてください。きっと、今まで以上にスポーツの面白さが深く心に刺さるはずです。
・国際オリンピック委員会(IOC)「Olympic AI Agenda」
https://www.olympics.com/ioc/olympic-ai-agenda
・オリンピック放送機構 (OBS)「OBS Media Guide Milano Cortina 2026」
https://www.obs.tv/news/830
・アリババクラウド・ジャパンサービス株式会社「アリババ、ミラノ・コルティナ2026冬季オリンピック向け、クラウドベースのAIイノベーションを展開」
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000054.000052991.html